*肩凝り、偏頭痛
体の歪みによる血流障害により、筋肉の貧血によって起こる痛みである。殆どが症状が出た側の咬合に問題がある。特に偏頭痛は、側頭筋の緊張による。側等筋前部は犬歯、中央は小臼歯、後部は大臼歯に原因がある
*腰痛
此の場合は二つの様式を取る。
一つは第一大臼歯の無咬合か、咬合接触点の間違い。
これは即座に、第3頚椎の歪みを起こし、それによって第4腰椎の歪みを起こす。第4腰椎は体の応力が最もかかっている部位で、咬合の悪い側に起こる。
二つ目は、骨盤の歪みにより、左右の足の長さが変ってきた場合である。下顎の偏位した反対側に起こる。
*膝痛
最も影響している歯牙は犬歯である。臼歯部に問題が無く、起こっている場合は、犬歯の咬合を改善するだけで、即座に結果が出る。
*坐骨神経痛
これも骨盤の歪みから起こり、直立する為に長いほうの足を外転させるために起こる。
*四十肩、五十肩
これの原因は、顎の偏移により、偏移した側の肩が下がることによって生じるが、健康な人でも故意に片方の肩を下げ、其のほうの腕を真横に伸ばし、其の状態で腕を挙げようとしてもあるところまでしか上がらない、この状態が続いて肩に痛みを訴える。何故四十、五十なのかと言うと咬み合わせの悪い人が、筋肉が衰える年齢に発症するからである。
*メニエール症候群
下顎が左右どちらにも可動な状態のとき起こり、最終的には左右の犬歯が正常な位置で咬合すれば治る。
*緊張性不安症
交換神経の過緊張によって起こり、主に右サイドの咬合に問題がある。右の下顎が後退した場合や、高い補綴物やインレーがある時、特に小臼歯が最も影響している。
下顎が後退した場合は慢性的な、持続性の不安緊張を引き起こすが、高い補綴物やインレーがある場合は、体が時には硬直したり、手が震えたり、緊張の為まったく眠れないような、激しい緊張を起こす。
*鬱病
これは緊張性の不安症と違い、左側の小臼歯が原因になっている。特に最近では、下顎の小臼歯が舌側に倒れ、上顎小臼歯とB点でしっかり咬めない場合が多い。又CR充填によって、B点が咬耗したり、B点の接触の無いインレー、クラウンなどが入っているのが原因になる。これらの咬合で、不安によるストレスが入った場合、それが引き金になり、引き起こされる。
*鼻炎 鼻づまり
最も多いのが、前歯の接触が強すぎる場合で、その刺激が、鼻の骨に影響した場合で、これは前歯の触診で、咬合を正しくすれば治癒する。
次には、下顎の後退によるか、咬合低位によって、気管支が圧迫され狭くなった場合である。
硬口蓋が深い場合、鼻に直接刺激が影響した場合も原因の一つになる。
鼻づまりは、下顎が偏移したほうに起こり、右前歯3本、特に犬歯の咬合が強すぎて骨を圧迫するために起こる。
*難聴、耳鳴り 外耳炎
顎関節頭が常に外耳道を刺激し続ける為に起こる。耳鳴りは、常に外耳道が関節頭によって叩かれ続け、筋肉が痙攣を起こした物である。難聴は、低い音が聞こえにくくなった時は咬合が原因で、高い音が聞こえにくくなった時は原因はもっと奥にあり、耳鼻咽喉科の領域になる。外耳炎も同じ機序で起こる。
*喉が弱い
これは下顎の後退により、気管支が圧迫され狭くなる為に起こり易い。ちなみに、風邪をひくパターンには2通りあり、咬み合わせが影響している人は、喉の炎症から始まり高熱は出ず、症状は比較的軽いが、治癒には時間が掛かる。咬み合わせがしっかりしている人は高熱が出るが、治癒は早い。
*顎関節痛、開口障害
これは、上顎臼歯、特に6,7番が挺出し下顎がロック状態になったとき起こる。ここに上下の歯が、1歯対2歯で咬合していることがその原因になっている。気をつけたいのは、関節に症状が出たとき、患側の反対側に殆ど原因があるということである。
又クリック音は、開口時、下顎が滑走することによって起こるが、開口の出発点が正しい位置に成っていない場合である。上下の正中が正しい位置に来ていないことが原因である。
*眼
突発性緑内障は小臼歯の当たりが強すぎる場合で、小臼歯の咬合調整で眼圧は低下する。
又、眼の目尻辺りが、ピクピクする場合も、小臼歯の当たりが強すぎる。眼の片方だけの充血は、充血している眼のほうの下顎が後退している。白内障は眼に行っている血管の血流障害で、目尻の横のくびれたところを押さえて圧痛が有れば要注意である。此の場合は、両方の場合は、全体に咬合が低位で、一方だけの場合は、悪いほうの下顎の後退による。
*高血圧
内科系疾患がある場合は別として、臼歯部に咬合不全の原因が有れば、それを取り除くことが先であるが、最後に最も影響するのは犬歯である。右の犬歯の上下の当たりが強すぎれば、急激に血圧は上昇する。最高血圧が200程まで高い人は犬歯に問題があると見てよい。又慢性的に血圧が高い場合、左の犬歯が無咬合に成っている場合が多い。
*不整脈
咬合改善で最後に、犬歯の咬合が問題になる。高血圧の場合と同じで、右の犬歯が強く当たり過ぎているか、左の犬歯が正しく咬んでいないかによる。
*過喚起症候群
下顎が急激に左に偏移した場合、左上の挺出した8番を抜く場合や、顎が左に偏移し易い咬合にあり、小臼歯など1本の歯がかろうじて、左への偏移を防いでいる場合にこの歯を咬合調整した場合。又急激に咬合低位になり、下顎が後退し、気管支が狭くなった場合に起こり易い。
*喘息
左臼歯群が低位で、左偏移のとき起こり易い。喘息の発作はこれを改善するだけで、治癒する。
*心臓疾患
下顎が左偏移のときに起こり易い。急激に左に偏移した場合は、心筋梗塞などに似た症状がでることもある。
*円形脱毛症
交感神経の緊張が持続し、大きなストレスが掛かったとき起こる。右偏移が原因。
*脳梗塞
下顎の左右どちらかの偏移により、まず脳に送られる椎骨動脈が椎骨の歪みにより血流が阻害される。椎骨動脈は、後部から頭部を支えている3つの筋肉で作られた、3角形状の隙を通って、頭部に入るが、下顎の偏移により、この3つの筋肉が慢性の腫脹をきたした場合、この隙が狭められ、頭部への血流が阻害され起こり、したがって体の麻痺は下顎の偏移した反対側に起こり、首の頭部を支えている筋肉の腫脹によって危険性が予測できる。
*ニキビ、肌荒れ
下顎の低位、後退により頭部への血流が阻害され起こる。特に胸鎖乳突筋が腫脹している側に原因があり、両側の場合は、左右の咬合低位と判断する。また交換神経も関与し、右偏移の場合が多く見られる。
*不眠症
寝つきが悪い、夢を良く見る、眠りが浅い、これらは交換神経の緊張による物で、下顎の右偏移によって起こる。朝起きたとき身体がだるいというのは充分な睡眠がとれないためと、交感神経の緊張による。
*鼾、無呼吸
下顎の低位等による場合と、咬筋などの筋肉の衰えにより、下顎が後退し、いずれも気管支が狭められた場合、口呼吸を伴った場合に起こる。お酒を呑んだ場合に起こり易いのは、お酒によって咬筋などの筋肉が緩んだ状態になるからである。
咬合改善の処置と同時に、開、閉口筋を強くするリハビリを指導することも必要である。
*歯軋り
正しい咬合の邪魔になっている歯があり、起きているとき無意識に歯で削ろうとする行為が寝ているとき起こるもので、ストレスに寄るものではない。こういう歯は少なからずファセットがあるもので、咬合調整をすれば無くなる。
注)鼾、無呼吸、歯軋りなどの疾患に、安易にスプリントを使用することは非常に危険である。
目的は、咬合を挙げることにより気管支を広げること、外傷性咬合を取り除くことで有るが、根本的な原因が取り除かれないだけでなく、装置の歯牙への部分的圧迫により、歯牙の移動、ひいては歯周病の原因にもなりうる。特に歯牙全体の圧下が起こった場合取り返しのつかない事態を招く。
*上顎小臼歯の外傷性咬合
挺出していたり、位置異常歯の場合は別として、此の場合多いのは、原因が反対側の臼歯部の低位の為下顎の後退が起こったために起こることが多い。特に反対側に義歯などが入っている場合は要注意である。小臼歯は自律神経に最も関与している歯牙なので、うっかり咬合を低くすると、鬱病、不安症、過喚起症候群などを起こす危険性も生じる。
|